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最高裁判所第二小法廷 平成元年(行ツ)138号 判決 1990年6月22日

東京都江東区大島三丁目二番六号

上告人

株式会社 吉野工業所

右代表者代表取締役

吉野弥太郎

右訴訟代理人弁護士

山崎行造

窪木登志子

松波明博

日野修男

東京都千代田区霞が関三丁目四番三号

被上告人

特許庁長官 吉田文毅

右当事者間の東京高等裁判所昭和六二年(行ケ)第六七号審決取消請求事件について、同裁判所が平成元年七月二六日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山崎行造、同窪木登志子、同松波明博、同日野修男の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 香川保一 裁判官 藤島昭 裁判官 奥野久之 裁判官 中島敏次郎)

(平成元年(行ツ)第一三八号 上告人 株式会社吉野工業所)

上告代理人山崎行造、同窪木登志子、同松波明博、同日野修男の上告理由

第一 原判決には、理由に齟齬があり、民事訴訟法第三九五条第六号後段に該当する。

一 原判決は本願の考案について、成立に争いのない甲第四号証(昭和五八年四月八日付手続補正書)及び甲第五号証(昭和五八年一〇月一一日付手続補正書)を直接証拠として、(1)本願考案は、閉塞状態時における外表面のほぼ全域を金属薄板により被覆した合成樹脂製のコンパクト容器に関するものであること、(2)従来、「所望の板形状に成形された合成樹脂製の容体1"と蓋体2"とを、容体1"に一体設された蝶番片3と、蓋体2"に一体設された蝶番片4とで蝶番軸5により蝶番結合して書籍状に開閉可能とし、この容体1"と蓋体2"との外表面に、この外表面全域を覆う金属薄板製の装飾板15a、15bを組付け固定したコンパクト容器」(別紙(一)の第1図参照。以下、本願考案の認定に使用する符号及び図の番号は、右別紙(一)のそれによる。なお、右従来のコンパクト容器が、本件審決認定の周知のものの一つに属することは原審原告の自認するところである。)が知られていたこと、(3)右従来のコンパクト容器における装飾板15a、15bは、単なる装飾だけのものであるため、その厚さは極めて薄く、ほとんど膜状となっていたこと、それゆえ、コンパクト容器としての機械的強度は、もっぱら合成樹脂製の容体1"及び蓋体2"自体の機械的強度に頼る他なかつたこと、(4)ところが、容体1"及び蓋体2"には、化粧料収納ドラムの嵌入組付け用の凹部8及び鏡組付け用の凹部9を形成しなければならず、これらの凹部8及び9の成形にもかかわらず充分な機械的強度を得るために、容体1"及び蓋体2"の肉厚は充分に大きな値にする必要があったこと、このため一個のコンパクト容器を成形するのに消費される合成樹脂材料の量は大きな値となつていたこと、(5)本願考案は、右従来例における欠点を解消することを目的としているものであること、(6)しかして本願考案は、合成樹脂製の容体及び蓋体を骨組体構造に成形し、この骨組構造体に、ある程度の剛性を発揮できる肉厚に成形された金属薄板製の装飾用外殻体を組付けて構成したものであること、(7)即ち、容体側のくり抜き枠体1及び蓋体側のくり抜き枠体2は、従来例の容体1及び蓋体2と同一板形状となつた容体側容器素体1"及び2"からくり抜き成形されるもので、骨組構成体して作用する程度の機械的な強度を持つように成形されていること、くり抜き枠体1及び2に組付け固定される金属薄板製の外殻体14a、14bは、金属感により商品としてのコンパクト容器を装飾するとともに、それ自体くり抜き枠体1及び2に強固に組合さつて容器としてのコンパクトを完成させるものであって、それゆえくり抜き枠体1及び2の機械的強度の不足を補うことのできる程度の機械的強度を発揮できる肉厚に成形されていること、(8)例えば、第2図及び第4図に示した実施例の如く、凹部8及び9の底壁全体を切除して構成されるくり抜き枠体1及び2に組付け固定されるような場合には、この空間部分に対向する外殻体14a、14bの中央部分がみだりにへこんだりしない程度の剛性を得ることができる肉厚が必要となるので、第2図及び第4図に示した実施例における外殻体14a、14bの肉厚は比較的大きな値となること、(9)しかしながら、第3図及び第5図に示した実施例の如く、くり抜き枠体1及び2に補強枠片12及び13を一体に成形した場合には、外殻体14a、14bに要求される剛性の程度は、第2図及び第4図に示した実施例の場合に比べて、はるかに小さくて良いことになるので、その分だけ外殻体14a、14bの肉厚を薄いものとすることができること、(10)また、補強枠片12、13を設けるのとは別に、くり抜き枠体1及び2に組付けられる化粧料収納ドラム及び鏡を、それらが直接くり抜き枠体1及び2に強固に組付けられるとともに、それぞれの底面が外殻体14a、14bに当接する構成とした場合には、この化粧料ドラム及び鏡自体が、外殻体14a、14bの中央部のみだりなへこみを阻止すべく作用するので、この場合も、外殻体14a、14bの肉厚を薄くすることができること、(11)本願考案は、前記のような構成を採用したことにより、消費される合成樹脂材料の量を大幅に減少することができるとともに、このように合成樹脂材料の量を大幅に減少させたにもかかわらず、充分に高い機械的強度を持つコンパクト容器を得ることができる(即ち、(原審)原告主張の(1)の効果。右原告主張の(1)の効果が本願考案の奏する効果であることは、(原審の)当事者間に争いがない。)ことの各事実を認定し(原判決一五丁裏第一行から一八丁裏第三行)、

また、右認定の事実より、本願考案のくり抜き枠体は、それ自体ではコンパクト容器としての機械的強度が不足すること、そのため外殻体により右くり抜き枠体の機械的強度の不足を補う構成であること及び右にいうコンパクト容器としての機械的強度とは、外殻体の中央部分がみだりにへこんだりしない程度の機械的強度をいうものであることの各事実を認定した(原判決一八丁裏第四行から同第九行)。

二 また、原判決は、原審原告は、本願考案についての前記「機械的強度」とは、「くり抜き枠体自体で必要部品を強固に保持することができる程度及び自己形状を一定に維持する程度の強度」をいう旨主張しているが、そのような解すべき証拠はなく、却って右に認定したところからすれば、(原審)原告の右主張は肯認しがたいところである、とした(原判決一八丁裏第一〇行から一九行表第四行)。

三 しかしながら、上告人は、原審においては、「本願考案におけるくり抜き枠体は、周知のものにおける容体及び蓋体に該当する容器素体の蝶番片を含む周端縁部分を残して他部分を切除したものである。ところで、このように他部分を切除したものでは、くり抜き枠体単位での必要部品を強固に保持することができる機械的強度が不足することになるため、従来は周知のもの及び引用例に示されているように、枠体単位での機械的強度の不足を生じるような容器素体の部分の切除は行なつていないのであるが、本願考案は、右の切除により発生したくり抜き枠体の機械的強度の不足を、このくり抜き枠体に嵌合組付けされる外殻体で補強し、もってくり抜き枠体と外殻体との組合せ物がコンパクト容器としての容体として機械的に充分な強度を有するものとしたのである。」(原判決一〇丁表第三行から同丁裏第六行)と、主張したのであり、くり抜き枠体の機械的強度についての主張をしたのである。

そのことは、右記述に続く、「この本願考案におけるくり抜き枠体の機械的強度不足を外殻体で補強するという技術思想」(原判決一一丁表第二行から第四行)の記載からも明らかである。

原判決のいう、『本願考案についての前記「機械的強度」』(原判決一八丁裏第一〇行)とは、文脈から解して、「コンパクト容器としての機械的強度」を意味すると解さざるを得ないが、上告人は、前述のように、くり抜き枠体の機械的強度についての主張を行なったものの、コンパクト容器としての機械的強度については、「くり抜き枠体自体で必要部品を強固に保持することができる程度及び自己形状に維持する程度の強度」であるとの主張を行なっていないのである。

原審において、上告人(原審原告)は、くり抜き枠体の機械的強度(これは、正確に述べるとケーキ皿などの必要部品を強固に保持すること)が、不足するために、それを、くり抜き枠体に嵌合組付けされる外殻体で補強し、くり抜き枠体と外殻体との組付け物がコンパクト容器としての容体として機械的に充分な強度を有するものとしたのである(原判決一〇丁表第七行から同丁裏第二行)、と主張したが、この主張は、くり抜き枠体の機械的強度についての主張に他ならない。

なお、上告人は、原審において、本願考案の奏する特段の効果として、「コンパクト容器を成形するのに消費される合成樹脂材料の量を、コンパクト容器としての機械的強度を低下させることなく大幅に減少させることができる。」と、主張したが(原判決一一丁表第一一行から同丁裏第三行)、ここでいう「コンパクト容器としての機械的強度」は「コンパクト容器の機械的強度」に他ならず、くり抜き枠体の機械的強度について述べたものではないことは、明らかである。

原判決は、「コンパクト容器としての機械的強度とは、外殻体の中央部がみだりにへこんだりしない程度の機械的強度をいうもの」と認定しているが、くり抜き枠体と外殻体とは、全く別物であるから、この記載は、くり抜き枠体の機械的強度について述べたものではなく、ここで言う「コンパクト容器の機械的強度」とは、とりもなおさず、「コンパクト容器の機械的強度」について述べたものであることは明らかである。

結局、原判決は、「コンパクト容器の機械的強度」は、外殻体の中央部分がみだりにへこんだりしない程度の機械的強度をいうものと認め、それを理由にして、上告人が「コンパクト容器の機械的強度」を「くり抜き枠体自体で必要部品を強固に保持することができる程度及び自己形状を一定に維持する程度の強度」であると、主張もしていない事実を主張したとして、上告人の主張(実際には主張していない)を否定しているのである(原判決一九丁表第三行)。

四 以上のとおりであるから、原判決には、明らかに理由の齟齬があり、破棄されなければならない(民事訴訟法第四〇七条)。

第一の二 右事実が、民事訴訟法第三九五第六号所定の理由の齟齬に該当しない場合に備えて、次の主張を行なう。

原判決は、判決に影響を及ぼすことが明らかな採証法則の違反があり、民事訴訟法第三九四号に該当する。

仮に、右第一で述べた上告人指摘の事実が、民事訴訟法第三九五号第六号所定の理由の齟齬に該当しない場合であっても、原判決は、原告が主張していない事実をもとにして、原告の主張に理由がないとし、この結果、くり抜き枠体の機械的強度についての認定を誤り、引いては、本願考案の新規な技術思想であるところの「くり抜き枠体の機械的強度不足を外殻体で補強する」という技術思想の評価を誤ったのである。

この結果、引用考案と本願考案のくり抜き枠体とが、同一の構成を有しているとはいえないこととなり、更に、原審原告が主張する本願の効果(1)(これについては、原判決も、認めるところである)(原判決一八丁表七行)は、引用考案から当業技術が極めて容易に予測できた程度のものとはいえないことになる。

従って、右採証法則の違反が、判決に影響を及ぼすことは明らかであり、民事訴訟法第三九四条に該当し、破棄を免れない。

第二 原判決には、狸由不備の違法があり、民事訴訟法第三九五条第六号前段に該当する。

一 上告人は、機械的に充分な強度を保持したまま充分に薄型に成形することができることを本願考案の奏する特段の効果である旨主張した(原判決一一丁裏第四行)。

これに対し、原判決は、右効果なるものは、くり抜き枠体の構成を薄型に限定したときにはじめて生じる効果であることが自明であるところ、本願考案には、その限定がないことが認められるから、右効果なるものは本願考案の奏する効果とはいえない、とした(原判決二三丁第五行)。

二 しかし、本願の右効果は、くり抜き枠体の構成を薄型に限定したときにはじめて生じる効果ではなく、何等の証拠もなく、くり抜き枠体の構成を薄型に限定したときにはじめて生じる効果であることが自明であるとの原審の判断には、理由不備の違法がある。

なお、判決の理由不備には、判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱または、審理不尽があって、この事項につき理由がない場合も含まれることは、いうまでもない(最判(三小)の昭和三七年二月二七日)。

第二の二 右第二で述べた事実が、民事訴訟法第三九五条第六号前段所定の理由の不備に該当しない場合に備えて、次の主張を行なう。

原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな採証法則の法令違反があり、民事訴訟法第三九四条に該当する。

機械的に充分な強度を保持したまま充分に薄型に成形することができるという本願考案の奏する特段の効果について鑑みると、本願の構成は、引用考案と比較すれば、引用考案の中枠とその外殻体は、それぞれ本願考案のくり抜き枠体と外殻体に対応するものであり(原判決一三丁裏第四行)、原判決は、次の各事実を認定している。即ち、右従来のコンパクト容器おける装飾板15a、15bは、単なる装飾だけのものであるため、その厚さは極めて薄く、ほとんど膜状となっていたこと、それゆえ、コンパクト容器としての機械的強度は、もっぱら合成樹脂製の容体1"及び蓋体2"自体の機械的強度に頼る他なかったこと、(4)ところが、容体1"及び蓋体2"には、化粧料収納ドラムの嵌入組付け用の凹部8及び鏡組付け用の凹部9を形成しなければならず、これらの凹部8及び9の成形にもかかわらず充分な機械的強度を得るために、容体1"及び蓋体2"肉厚は充分に大きな値にする必要があったこと、このため一個のコンパクト容器を成形するのに消費される合成樹脂材料の量は大きな値となっていたこと、(5)本願考案は、右従来例における欠点を解消することを目的としているものであること、(6)しかして本願考案は、合成樹脂製の容体及び蓋体を骨組体構造に成形し、この骨組構造体に、ある程度の剛性を発揮できる肉厚に成形された金属薄板製の装飾用外殻体を組付けて構成したものであること、(7)即ち、容体側のくり抜き枠体1及び蓋体側のくり抜き枠体2は、従来例の容体1"及び蓋体2'と同一板形状となった容体側容器素体1'及び2'からくり抜き成形されるもので、骨組構成体して作用する程度の機械的な強度を持つように成形されていること、くり抜き枠体1及び2に組付け固定される金属薄板製の外殻体14a、14bは、金属感により商品としてのコンパクト容器を装飾するとともに、それ自体くり抜き枠体1及び2に強固に組合さって容器としてのコンパクトを完成させるものであって、それゆえくり抜き枠体1及び2の機械的強度の不足を補うことのできる程度の機械的強度を発揮できる肉厚に成形されていることと、(8)例えば、第2図及び第4図に示した実施例の如く、凹部8及び9の底壁全体を切除して構成されるくり抜き枠体1及び2に組付け固定されるような場合には、この空間部分に対向する外殻体14a、14bの中央部分がみだりにへこんだりしない程度の剛性を得ることができる肉厚が必要となるので、第2図及び第4図に示した実施例における外殻体14a、14bの肉厚は比較的大きな値となること、(9)しかしながら、第3図及び第5図に示した実施例の如く、くり抜き枠体1及び2に補強枠片12及び13を一体に成形した場合には、外殼体14a、14bに要求される剛性の程度は、第2図及び第4図に示した実施例の場合に比べて、はるかに小さくて良いことになるので、その分だけ外殻体14a、14bの肉厚を薄いものとすることができること、(10)また、補強枠片12、13を設けるのとは別に、くり抜き枠体1及び2に組付けられる化粧料収納ドラム及び鏡を、それらが直接くり抜き枠体1及び2に強固に組付けられるとともに、それぞれの底面が外殻体14a、14bに当接する構成とした場合には、この化粧料ドラム及び鏡自体が、外殻体14a、14bの中央部のみだりなへこみを阻止すべく作用するので、この場合も、外殻体14a、14bの肉厚を薄くすることができること(原判決一六丁表第四行から一八丁表第七行)。

以上の事実によれば、従来のコンパクト容器は、合成樹脂製の容体1"及び蓋体2"の機械的強度によって、コンパクト容器の機械的強度を得ることとしていたため、相当量の肉厚が必要であったのに対し、本願考案では、くり抜き枠体と、外殼体を分離して成形し、外殻体に、ある程度の剛性を発揮することができる肉厚に成形された金属薄板製の外殻体を用いることによって、従来のコンパクト容器外殼体より格段に薄い本願考案の外殻体を用いることができるようになったのであり、この結果、機械的に充分な強度を保持したまま充分に薄型に成形することができるという本願考案の奏する格段の効果を得ることができるのである。

そして、右上告人の主張は、原審の証拠によっても、裏付けられるものである。即ち、甲第五号証の第五頁から第六頁にかけて、「しかしながら、第3図および第5図に示した実施例の如く、くり抜き枠体1および2に補強枠片12および13を一体に成形した場合には、外殻体14a、14bに要求される剛性の程度は、第2図および第4図に示した実施例の場合に比べて、はるかに小さくて良いことになるので、その分だけ外殻体14a、14bの肉厚を薄いものとすることができる。また、補強枠片12、13を設けるのとは別に、くり抜き枠体1および2に組付けられる化粧料収納ドラムおよび鏡を、それらが直接くり抜き枠体1および2に強固に組付けられると共に、それぞれの底面が外殻体14a、14bに当接する構成とした場合には、この化粧料収納ドラムおよび鏡自体が外殼体14a、14bの中央部のみだりなへこみを阻止すべく作用するので、この場合も、外殼体14a、14bの肉厚を薄くすることができる。」と、記載されているものであり、この事実からも、原判決のような結論を導くことは、できないものである。

結局、原判決は、右効果のくり抜き枠体の構成を薄型に限定したときにはじめて生じる効果であることが自明であるとしたが、何等の理由もなく、このような誤った事実の認定を行なうことは、採証法則に違反するものである。

さらに、右法令違反の結果、本願考案の効果について誤った認定を行ない、この事実認定が正当に行なわれていたならば、判決に影響を及ぼすことは明らかである。従って、原判決は破棄を免れない。

以上

別紙(一)

<省略>

別紙(二)

<省略>

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